借金の返済に行き詰まった際に債務整理を検討する人も多いはずです。債務整理を行うことで借金返済の負担を軽減することができるため、完済に向けて現実的なプランを立てることもできるでしょう。
しかし、債務整理=恥ずかしいと感じる人も中にはいるようです。借金を減らす債務整理をするなんて人間のクズだと思ってしまい、問題解決に向けて一歩踏み出すのを躊躇してしまうかもしれません。
そこで今回は債務整理債務整理するのはクズや恥ずかしいは誤解である理由を解説していきます。債務整理をすることは決して恥ずかしいことではないので、手続きの内容をしっかりと理解して適切な手段で借金問題を解決してください。
「債務整理=クズ」が間違いである理由を解説!恥ずかしくはない?
債務整理をすることは決して恥ずかしいことではありません。恥ずかしくない理由としては以下の3つが挙げられます。
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
債務整理は債権者の合意を得た上で法的に行う手続きなので間違ってない
債務整理というのは決して借金を踏み倒すことではなく、債権者の合意を得た上で行う法的な手続きです。借金の返済が現実的に難しいのは確かに問題ですが、あくまで債権者との交渉を通じて借金を減額したり、利息の負担を減らしたりすることで、現実的な完済を目指す手続きとなっています。
なので、債権者をないがしろにしていたり、借金を軽視していたりするわけではなく、借金をしっかりと向き合った上で正当な手段による解決を目指しているわけですから、恥ずかしいというよりはむしろ真摯に向き合っているとさえ言えるでしょう。
債務整理は借金から逃げることではなく、借金と向き合った上で問題の解決に向けたアクションの1つなので、恥ずかしいと思う必要はなく、適切な問題解決の方法として捉えてください。
借金を踏み倒すのではなくキチンと向き合った上での解決方法だから
自己破産については借金の返済を免除してもらう手続きでもあるため、借金を踏み倒すというイメージが強い人も多いのではないでしょうか。しかし、借金の返済を無視して踏み倒しているのではなく、きちんと借金と向き合った上で問題を解決する方法が債務整理しかないという状態なので、恥ずかしいと感じる必要は全くありません。
借金の返済を無視して踏み倒しているのは恥ずかしい行為ではありますが、債務整理は正当な法的手続きによって借金を減らしたり、返済を免除したりするので、問題を解決するための正当な手段と言えるでしょう。
借金を返せずに債務整理に頼るのは恥ずかしいと感じるかもしれませんが、債務整理は法的に認められた問題解決の方法なので、借金の返済が行き詰まって問題解決が難しい場合には債務整理に頼ってください。
任意整理で元金のみを返す手続きもあり債権者に迷惑をかけない
債務整理の1つでもある任意整理では、将来的に発生する利息をカットして元金のみの返済にしてもらえる手続きになっています。元金の返済は行うため、利息はカットされるものの、債権者的にはプラマイ0になるため、債権者への負担を最小限に抑えることができます。
出典:金融庁「任意整理のイメージ」
任意整理に適している場合
○ 借金総額が比較的少額の場合
○ 「引き直し計算」で借金の減額が見込まれる場合
もちろん借金をしている以上、利息を支払わなければならないのですが、元金と利息を全て返済するのが困難な場合には、元金だけでも返済して債権者に義理を通すのがいいでしょう。
債務整理が恥ずかしいと思う理由とは?
債務整理を恥ずかしいと思う理由としては主に以下の3つが挙げられます。
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
返すと約束した借金が返せなくなっているから
多重債務に陥ってしまい、借金を返済できなくなった場合、自己破産や個人再生といった債務整理の手続きが必要になりますが、債務整理をすることで、自分が「借金が返せない人」というレッテルを貼られるのではないかと不安になってしまいます。
実際には、借金を返せないことは、それ自体では恥ずかしいことではありません。給料が減ったり、失業してしまったり、病気や怪我で収入が途絶えてしまったり、何らかの理由で返済が難しくなってしまった場合、誰でも同じような状況に陥る可能性があります。
借金を返せない状況に陥ったとき、自分自身を責めるのではなく、冷静に事実を受け止め、解決策を模索することが大切です。債務整理は、借金問題を解決するための有効な手段のひとつであり、自分自身を立て直すためのチャンスでもあります。
債務整理をすることで、借金問題を早期に解決し、将来の生活を再建することができるので、自分自身を責めることなく、現実的な問題解決に取り組んでください。
借金を返せない自分に対して恥ずかしいと思ってしまう
借金を返せない自分に対して恥ずかしいと感じる人もいるようです。しかし、現代社会において借金返済に苦しむ人は多く珍しいことではありませんし、債務整理は借金問題を解決するための1つの方法です。
債務整理は、弁護士や司法書士を通じて行う手続きで、借金返済に苦しんでいる人が、返済額を減らしたり、返済期間を延ばしたりすることができます。債務整理を利用することで、返済が難しい借金を解決し、生活を再建することができます。
借金返済に苦しむことは、決して恥ずかしいことではなく、誰もが陥ることがある問題なので、借金返済に苦しんでいる場合は、一人で悩まず、まずは専門家に相談することをお勧めします。
他人に借金のことを相談するのが恥ずかしい
債務整理について考えると、弁護士や司法書士に相談することは多くの人にとって難しいと思われます。借金を抱えていると、自分が無能力であると感じたり、他人に相談することが恥ずかしいと感じるかもしれません。しかし、借金問題を放置することは、問題を悪化させるだけでなく、法的な責任を負うことにつながる可能性があります。
弁護士や司法書士は専門家であり、借金問題に関して多数の人をサポートしています。彼らは、借金問題に関する豊富な知識と経験を持っており、あなたの状況に合わせた最善の解決策を提供することができます。また、彼らは法律についての専門知識を持っているため、借金問題についての法的なアドバイスを提供することができます。
借金問題に対処することは、人生の中で誰にでも起こりうることです。弁護士や司法書士は、借金問題を抱える人々を助けるために存在しています。あなたが弁護士や司法書士に相談することで、あなたの借金問題を解決するための適切なプランを立てることができ、将来的な問題を避けることができます。
弁護士などの専門家に相談することは恥ずかしいことではなく、借金問題の解決には欠かせない大切なステップなので、恥ずかしいと思わずにキチンと相談をしてください。
債務整理にはどんな手続きがある?主な方法3つを解説
債務整理の方法には主に以下の3つがあります。
債務整理の方法 | 概要 | メリット | デメリット |
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任意整理 | 弁護士を通じて債権者と交渉して、将来分の利息分を減額する手続き |
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個人再生 | 裁判所を通じて借金を1/5程度まで減額して完済を目指す手続き |
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自己破産 | 裁判所を通じて全ての借金の返済義務を免除する手続き | 借金の返済が免除される |
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では、1つずつ詳しくみていきましょう。
任意整理は債権者との交渉によって利息などの手数料をカットできる
任意整理は、債務者と債権者が話し合い、債務の支払い方法を変更する手続きです。任意整理は、自己破産や個人再生と違い、裁判所を介さず、債権者との交渉によって債務を整理することができます。
手続きの流れとしては、まず最初に弁護士に依頼し、債務整理をする旨を債権者に伝えます。その後、弁護士が債権者との交渉を行い、債務の総額や支払い計画などを決めます。債務者は、弁護士が決めた支払い計画通りに返済することで、債務整理が完了します。
任意整理の最大のメリットは、自己破産と違い、自分の財産を手放すことなく債務整理ができることです。また、個人再生に比べて手続きが簡単で、費用も安く抑えられることが特徴です。
しかし、任意整理をすると信用情報に悪影響を与え、クレジットカードなどの利用制限を受ける可能性があることや、債務者自身が計画通りに返済を行わない場合、債権者が強制的に財産を差し押さえたり、裁判所を介して強制執行することができることなどが挙げられます。
個人再生は裁判所を通じて債務を大幅に圧縮できる
個人再生は、自己破産や任意整理とともに、債務整理の中でも一つの方法で、収入減や失業などで返済が滞り、借金問題に陥った個人が、裁判所に申し立てを行い、債務を整理する方法です。
具体的には借金の残高を1/5程度まで減らすことができ、残った元金を3年かけて返済していきます。債務の一部を免除してもらい、残りを分割払いで返済することで、現実的な完済を目指していきます。
個人再生には、手続きにかかる時間や費用が少なく、自分自身の信用情報が傷つかないというメリットがあります。ただし、申し立てが認められない場合もあり、裁判所の判断によっては、債務者が望んでいるような結果にはならないこともあります。
自己破産は自分の財産を失うものの債務を全て免除できる
自己破産は、借金が返済不能に陥った場合に選択される債務整理の一つです。自己破産を選ぶと、借金を全て免除することができますが、その代わりに、財産を一部または全て失うことになります。具体的には、不動産や車などの財産を売却することによって、債権者に対する借金返済に充てられます。
手続きでは弁護士に依頼することが必要で、弁護士は債務者の財産状況や借金の金額などを確認した上で、最適な債務整理方法を提案してくれます。自己破産を選択する場合、弁護士が代理人となり、裁判所に申立てを行います。裁判所が認めると、債務者は免責されます。
自己破産をすると、借金が全て免除されることから、一見すると非常に魅力的な方法のように思えます。しかし、財産を失うことになるため、慎重な検討が必要です。
債務整理で人生が終わってしまうと感じる理由は?
債務整理をすると人生が終わったと感じてしまうかもしれませんが、その理由としては主に以下の3つが挙げられます。
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
ブラックリストに載って今後の人生に制限が加わるから
債務整理を行うといわゆる金融ブラックの状態になってしまい、信用情報に履歴が登録されてしまいます。信用情報にブラック情報が載ってすると、ローンなどを組む際の審査でほぼ落ちてしまうため、今後の人生に制限が加わってしまいます。
これに対して人生終わったと感じてしまう人もいるかもしれませんが、実際にはブラックリストに載っても一定期間が経過すれば記録は削除されるので、削除後は元通りになります。
信用情報は5年程度しか保管されないので、保管期間が経過した後は元の生活に戻れます。
安定した収入がなければ結局元通りになるから
債務整理をして借金を減額しても、収入がなければ再び借金をすることになり、また元の状態に戻ってしまう可能性もあります。さらに、債務整理をすると新たなローンを組むのが難しくなってしまうため、行き詰まった状態になってしまうでしょう。
そのため、生活を立て直すためにも、債務整理を行うのと同時に安定した収入を確保して収支のバランスを整えてください。
自己破産だと財産を失ってしまうから
自己破産をすると生活に必要な物以外の財産は全て差し押さえられてしまうため、自分の周囲のものが全てなくなった終わったという感覚になってしまうかもしれません。
しかし、自己破産は借金を免除して人生の再スタートをするための手続きでもあるため、終わったと思うのではなく、ここからまた始めようと奮起しなければなりません。
債務整理は早めに対処しよう!どんな人が債務整理をすべき?
以下に当てはまる人は債務整理をするのがおすすめです。
- 3社以上から借入をしている多重債務状態に陥っている人
- 毎月の返済を続けていても利息分しか返せず元金が減らない人
- 返済のために新たな借入をしている自転車操業状態の人
- 借金の総額が年収の1/3を上回っている
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
3社以上から借入をしている多重債務状態に陥っている人
多重債務状態になると、借り入れ金額が多くなり、返済が困難になることがあります。このような場合、債務整理をすることで返済額を減らし、返済期間を延ばすことができます。債務整理をすることで、利息や遅延損害金の免除や返済期間の延長などの債務整理のメリットがあります。
そのため、3社以上から借入をして多重債務状態の人は債務整理を検討してください。
毎月の返済を続けていても利息分しか返せず元金が減らない人
毎月の返済を続けていても利息分しか返せず元金が減らない人は、返済が利息分のみである場合、元金は減少しないため、返済期間が延び、結果的に支払総額が膨らんでしまいます。
さらに、返済額が多額で、生活が苦しくなってしまうこともあるでしょう。債務整理をすることで、元金を減らすことができ、返済額も減少します。特に任意整理では、元金を減らすことができるため、利息分のみの返済から脱却することができます。
返済のために新たな借入をしている自転車操業状態の人
借金を返済するために新たな借金をする、いわゆる自転車操業状態の人はいますぐにでも債務整理をすべきです。返済のために借金をしている場合、現実的な完済が難しい状態になっていますし、元金は全く減っていないので完済は遠のいてしまいます。
なので、自転車操業状態の人は債務整理を検討してください。
借金の総額が年収の1/3を上回っている
借金の総額が年収の1/3を上回っている人は、返済が難しくなり、利息が膨らんでしまため債務整理を検討するべきです。この状態になると、借金を返済するために、貯金を切り崩したり、生活水準を下げたりすることがありますが借金を返済するために、別の借金をしてしまうこともあるため、状況が悪化してしまうこともあります。
そのため、借金の総額が年収の1/3を上回っている人は債務整理で問題を解決してください。
債務整理するのはクズや恥ずかしいは誤解である理由に関するよくある質問
ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。